【Google Cloud Next '26 in Las Vegas現地参加レポート】個別セッション:AIエージェントで加速するCI/CD -- コーディングエージェントが切り拓く開発・運用の新境地
はじめに
Re:Q Techブログをご覧いただきありがとうございます。
クラウド&ネットワーク技術統括部のN.Tです。
皆さんは、AIエージェントを日々の開発にどこまで活用できているでしょうか?
単にコードの断片を書かせるだけでなく、CI/CDパイプラインの構築やセキュリティスキャン、さらにはTerraformによるインフラのコード化まで、AIが開発者の隣で「伴走」してくれる時代が本格的にやってきました。
日々の業務でCI/CDの複雑な設定やセキュリティの担保に頭を悩ませることが多々あると思いますが、今回のセッションを聴講して、その苦労が過去のものになるかもしれないという強烈な予感を感じました。
今回の記事では、Google Cloud Next '26のセッション「Accelerate CI/CD with coding agents」で発表された、AIエージェントによる次世代CI/CDの革新について、現地での熱気とともにお伝えしたいと思います!
1. 結論:AIエージェントは「コード生成者」から「インフラ・コンサルタント」へ
本セッションの最大の結論は、AIエージェントがクラウド環境のガバナンスやセキュリティを深く理解し、「本番環境に耐えうるデプロイ戦略を自律的に構築できるようになった」という点にあります。
特に新しく発表された「CI/CD Extension」は、Gemini CLIなどのエージェント機能を拡張し、自然言語での指示から複雑なGoogle Cloudリソースの構成を一気に書き上げる力を備えています。
もはやAIは単なる「コード生成者」ではなく、エンジニアと対等に議論し、最適な構成を提案してくれる「インフラ・コンサルタント」へと進化を遂げたと断言できます。
2. AI時代のCI/CDが直面する「3つの壁」
セッションでは、AI活用が進む一方で、多くの開発現場が直面している深刻な課題が提示されました。
特に印象的だったのは、AIエージェントが生成したコードのデプロイ失敗率が60%に達するという統計です。これは、エージェントがクラウド環境のガバナンスやインフラ要件を十分に把握できていないことに起因します。
| 課題カテゴリー | 内容の詳細 |
|---|---|
| ツールの断片化 | 32%の組織が複数のCI/CDプラットフォームを併用。複雑なDevSecOpsの管理が大きな負担に。 |
| Code-vs-Cloudの乖離 | AI生成コードのデプロイ失敗率は6割。クラウド側のルールをエージェントが知らないことが原因。 |
| セキュリティリスク | 機密情報(Secrets)の露出が前年比34%増加。AIによる大量生成が意図せぬ流出を加速。 |

AI時代のデプロイメントが抱える「乖離」の現状
3. 核心:CI/CD Extensionのアーキテクチャ
これらの「壁」を打ち破るために設計されたのが、今回発表された CI/CD Extension です。
これは単なるスクリプトではなく、以下の4つの主要コンポーネントが連携することで、クラウド環境を正しく理解した「自律的なデプロイ」を実現しています。
- Skills: パイプライン設計、デプロイ、Terraform化など、定義されたワークフローを実行する「専門技能」。
- Local MCP Server: ユーザーの認証情報を安全に保持し、Google Cloudリソースを操作するための「実行環境」。
- Global Knowledge Space: Google Cloudのベストプラクティスや最新ドキュメントが詰め込まれた「脳」。
- Evals: 生成されたアウトプットの精度を担保するための「評価システム」。

CI/CD Extensionを構成する4つのコア・コンポーネント
特に、認証情報をローカルに留めたまま安全にクラウドを操作できる「Local MCP Server」の仕組みは、セキュリティと利便性を両立させる重要なポイントだと感じました。
4. 実演:対話だけで「本番級」の環境を作る
デモンストレーションでは、既存のPython/Flaskアプリケーションに対し、わずか数分でプロレベルのCI/CD環境を構築する様子が披露されました。
1. 既存プロジェクトの自動解析
エージェントがローカルコードをスキャンし、技術スタックやポート番号を自動認識します。
ここで驚いたのは、デプロイを試みる前に、コード内に機密情報(Secrets)がハードコードされていないかを自動スキャンし、リスクを事前に排除する仕組みが組み込まれている点です。
2. マルチステージ・パイプラインの生成
「標準的なマルチステージ・デプロイを構成して」という曖昧な指示に対し、エージェントはGoogle Cloudのベストプラクティスに基づいた構成案を提示。以下のファイルを一気に自動生成しました。
- Dockerfile: 本番用に最適化されたマルチステージビルド構成。
- cloudbuild.yaml: CI(ビルド・テスト)プロセスの定義。
- clouddeploy.yaml: Staging/Production環境への昇格ルールと承認フロー。

対話を通じて生成されたCloud BuildとCloud Deployの定義
3. インフラのコード化 (Terraform)
最後に、これまで構築した全リソース(IAMロール、サービスアカウント、パイプライン定義)を一つの main.tf ファイルへと変換。
エージェントとの対話で生まれた一時的な設定を、そのままGitOpsで管理可能な「永続的なコード資産」へと昇華させることができます。

最終的に出力されたTerraformによるインフラ定義コード
さいごに
AIエージェントは、ついに「コード生成者」から「インフラとセキュリティを統合的に導くシニア・コンサルタント」へと進化を遂げました。
複雑なパイプラインの構築や厳格なセキュリティスキャンといった一連のタスクを、AIが「伴走」してくれる環境は、今後のクラウドネイティブ開発の標準となるでしょう。
CI/CD Extensionがもたらすこの新しいアプローチを、ぜひご自身の開発現場の生産性向上にお役立てください。
今後のCI/CDのあり方を、AIとともに再考してみる良い機会になるはずです。
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