はじめに
Re:Q Techブログをご覧いただきありがとうございます。
クラウド&ネットワーク技術統括部のN.Tです。
現在、私は熱気に包まれるラスベガスの Google Cloud Next'26 in Las Vegas 会場に来ています! 本日参加したのは、パートナー向けの最重要セッション「Partner Summit keynote: From vision to value: Powering the agentic enterprise, together」です。
会場となった Michelob ULTRA Arena は、Google Cloud CEOのThomas Kurian氏をはじめとするリーダー陣、そして世界中から集まったパートナーたちの熱気で溢れかえっていました。
今回のキーノートで語られたのは、単なる技術の進歩ではありません。
パートナーがいかにして顧客に「実利(Value)」をもたらし、AIエージェントが自律的に動く「Agentic Enterprise(エージェント型企業)」を実現するかという、極めてエネルギッシュなロードマップでした。

今回は、そこで発表された驚きの成長数字と、総額7億5,000万ドルにのぼる新たな投資プログラムについて、最速レポートをお届けします!
パートナーと共に築く「AIエージェント」の新時代
キーノートを聴講して私が強く感じた、Google Cloudエコシステムの現在地と未来のポイントは以下の3点です。
- パートナーこそが成長のエンジン:昨年の増収分の80%がパートナーエコシステムによるもの。
もはやパートナーなしでの成長はあり得ないという強いメッセージ。 - 「Gemini」が引き起こすパラダイムシフト:顧客の75%がGeminiを活用し、わずか5か月半で800万シートを販売。
AIは「実験」から「実務の最適化」へ完全に移行した。 - $750Mの巨額投資で「スキルと実装」を支援:今後1年間で7億5,000万ドルのインセンティブを投入。
レベル400の高度スキル習得や、実データを用いたMVP開発をGoogleが強力にバックアップする。

「共に取り組めば、世界中のすべての企業を変革できる」というThomas Kurian氏の言葉通り、パートナーシップが新たなビジネスの標準になることを確信させる内容でした。
1. 数字で語る「パートナー・モメンタム」の凄まじさ
セッション冒頭で語られた統計データは、会場のエンジニアやビジネスリーダーたちを驚かせるに十分なものでした。
- パートナー経由の予約(Bookings):前年比で100%以上の成長。
- マーケットプレイス事業:前年比90%増とほぼ倍増。
- 大規模案件の加速:昨年1年間で成立した「10億ドル規模の契約」の数は、過去3年間の合計を上回る。
特に驚くべきは、Google Cloudの全顧客の75%がすでにGeminiをビジネスプロセスに組み込み始めているという点です。
これは、AIがいかに急速にエンタープライズの深部まで浸透しているかを物語っています。
2. Agentic Enterprise:業界別・価値創造の具体例
「AIを使って何ができるか?」という問いに対し、キーノートでは非常に具体的な成功事例が示されました。
AIが単なるチャットボットではなく、業務プロセスを自律的に動かす「エージェント」として機能することで、莫大な経済効果を生んでいます。
| 業界 | 活用事例(エージェントの役割) | 実質的な価値(Value) |
|---|---|---|
| 小売(Etsy) | 9,000万件の超パーソナライズされた体験を提供。 | コンバージョン率の大幅な向上。 |
| 製造(自動車) | 現場とサプライチェーンを最適化するエージェント。 | 過剰在庫コストを2億6,000万ドル削減、保証請求が50%減少。 |
| ライフサイエンス | 新薬の研究開発(Drug Discovery)を加速。 | 数十億ドルのトップラインインパクトと「命を救う」価値。 |
会場のQ&Aやディスカッションでも、「既存のレガシーな業務フローにどうやってエージェントを組み込むか?」という点がエンジニアたちの最大の関心事となっていました。
3. $750Mの衝撃:新パートナープログラムと巨額投資
そして、今回の最大の目玉が、今後1年間で展開される 7億5,000万ドルの投資プログラム です。
Googleは「ビジョンから価値へ」を加速させるため、パートナーに対して以下の3つの重点分野で支援を強化すると宣言しました。
① 高度なスキルトランスファー(Level 400)
単なる基礎知識ではなく、顧客の複雑な課題を解決するための「レベル400」の深い専門知識を習得するためのトレーニングを提供します。
② エンジニアリング・コラボレーション
Googleのエンジニアリングチームと直接連携できる機会を増やし、最新のロードマップへのアクセスや共同ワークショップを通じて、高品質な実装を支援します。
③ インセンティブとMVP支援
プリセールスからポストセールスまで、一貫したインセンティブを提供。
特に、「クライアントの実データ」を活用したMVP(最小実行可能製品)開発への資金提供は、顧客が投資対効果(ROI)を早期に確認するために非常に強力な武器となります。
ISV(独立系ソフトウェアベンダー)に対しては、独自のAIエージェントを構築し、Gemini EnterpriseやGoogle Cloud Marketplaceを通じて世界中に流通させるための道筋が明確に示されました。
さいごに
今回のキーノートを通じて、Google Cloudがどれほど本気で「パートナー中心」の戦略を推し進めているかを肌で感じることができました。
7億5,000万ドルという投資額は、単なる数字ではなく、Googleが私たちパートナーと共に「AIエージェントによる企業変革」をやり遂げるという強い決意の表れと受け取りました。
ライブならではの盛り上がりの中で、多くのパートナーが「自分たちのソリューションがいかに差別化されるか」について議論を交わしていました。
AIの波に乗り遅れるのではなく、パートナーの知見とGoogleのプラットフォームを掛け合わせることで、顧客に真の価値を届ける。
その最前線に立っているという高揚感こそが、Google Cloud Next参加の醍醐味だと改めて実感しました。
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