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【AWS × Prisma Access】GlobalProtect Always-On VPN 環境におけるローカルプリンター利用(ローカルブレークアウト)の検証

はじめに

本記事では、Prisma Access (GlobalProtect) 環境において、**「Always-On(常時接続)モードかつ切断不可」**という厳しいセキュリティ要件を維持しつつ、クライアント端末と同一セグメントにあるプリンターへアクセスするための設定と検証手順を紹介します。

今回は検証環境としてAWSを使用し、LAMPサーバーを擬似的なプリンターに見立てて、GlobalProtect (GP) トンネルを経由せずにアクセス(ローカルブレークアウト)できるかを確認します。

1. 検証シナリオと要件

検証のゴール

GlobalProtectトンネル接続時に、特定のローカルIP(LAMPサーバー)への通信のみをローカルブレークアウトさせ、アクセス可能であることを確認する。

要件

  • GlobalProtect設定: Always-On mode(常時接続)、ユーザーによる切断不可。

  • ネットワーク構成: クライアント端末とプリンター(LAMPサーバー)は同一セグメントに存在する。

  • アクセス制御: 通常のインターネット通信はPrisma Accessを経由させるが、プリンターへの通信は除外(ブレークアウト)する。

前提条件

  • AWS上にクライアント端末(GP_Test端末)およびLAMPサーバー(擬似プリンター)のインスタンス構築が完了していること。

  • Strata Cloud Manager (SCM) へのアクセス権限があること。

構成

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2. Prisma Access (Strata Cloud Manager) 側の設定

まずは管理コンソール側で、ローカルユーザーの作成とGlobalProtectのアプリケーション設定を行います。

2-1. ローカルユーザーの登録

認証に使用するテスト用のローカルユーザーを作成します。

  1. Strata Cloud Manager にログインします。

  2. メニューより [Manage] > [Configuration] > [NGFWとPrisma Access] を選択します。

  3. [Configuration Scope] で [GlobalProtect] を選択します。

  4. [IDサービス] > [ローカルユーザーとグループ] へ移動します。

  5. **「ローカルユーザーの追加」**をクリックします。

  6. 以下の情報を入力し、**「保存」**をクリックします。image-2025-12-23_23-37-43.png

2-2. GlobalProtect アプリケーション設定

クライアントの接続挙動(Always-On、ローカルブレークアウト等)を定義します。

  1. [セットアップ] > [GPアプリケーション] へ移動します。

  2. 「追加」をクリックし、任意の名前を入れて以下の設定を行います。

    • 接続方式: Always-On(常時接続)を選択。

    • Allow User to Disconnect: 無効化(ユーザーによる切断を許可しない)。image-2025-12-22_22-5-0.png

  3. [Show Advanced Options] をクリックし、Enforcement(強制)設定を行います。

    • ここで、ローカルブレークアウト対象となるIPアドレス(今回の擬似プリンターIP)を設定に含めます(スプリットトンネル設定)。image-2025-12-22_22-6-22.png

  4. 作成したアプリケーション設定をリストの最上部へ移動させます。

    • 補足: トンネル設定についてはDefault設定のままで問題ありません。

2-3. インフラ設定(認証順序)

  1. [セットアップ] > [インフラ] へ移動します。

  2. 認証プロファイル設定にて、ローカル認証作成し最上部へ移動させ、優先度を上げます。

  3. すべての設定完了後、設定を**プッシュ(コミット)**します。image-2025-12-23_23-54-49.png

3. AWS環境でのクライアント設定と接続検証

ここからは、AWS上のクライアント端末(GP_Test端末)を操作して検証を行います。

3-1. GlobalProtect エージェントのインストール

  1. 踏み台サーバー等を経由し、リモートデスクトップ (RDP) で GP_Test端末 にログインします。image-2025-12-24_0-4-3.png

  2. ブラウザを起動し、Prisma Access ポータルの FQDN へアクセスします。image-2025-12-24_0-14-53.png

  3. 作成したローカルユーザーのID・パスワードでログインします。image-2025-12-24_0-16-3.png

  4. 画面右上の [GlobalProtect Agent] をクリックします。image-2025-12-24_0-17-15.png

  5. [Download Windows 64 bit GlobalProtect agent] を選択し、インストーラーをダウンロードします。image-2025-12-24_0-18-6.png

  6. ダウンロードしたファイルを実行し、インストールを完了させます。image-2025-12-24_0-24-14.png

3-2. 初回接続とAlways-On動作の確認

  1. タスクトレイ(画面右下の隠しアイコン)にGlobalProtectアイコンが表示されていることを確認します。

  2. ポータルの FQDN を入力し、[接続] をクリックします。image-2025-12-24_0-28-5.png

  3. ユーザー名とパスワードを入力して認証を行います。image-2025-12-22_21-52-7 (1).png

  4. 接続完了後、以下の点を確認します。

    • 切断不可の確認: エージェントのメニューに「切断」ボタンが表示されない、またはグレーアウトしており、ユーザー側から切断できないこと。

    • 自動再接続の確認: 端末を再起動します。Windowsへのログイン後、GlobalProtectが自動的に立ち上がり、接続プロセスが開始されることを確認します。image-2025-12-22_21-46-52.png

3-3. ローカルブレークアウトと通信の検証

最も重要な通信経路の確認を行います。

  1. GP接続前の挙動確認(Enforcement動作確認)

    • 端末再起動後、GPが完全接続する前の状態でブラウザを開きます。

    • Yahoo! (yahoo.co.jp) などへアクセスし、インターネットに出られないことを確認します(Enforcement設定により、VPN確立前は指定されたローカルIP/FQDN以外への通信がブロックされるはずです)。image-2025-12-22_21-48-7.png

    • この状態で、ローカルブレークアウト設定した擬似プリンター(LAMPサーバー)のIPへはアクセス可能か確認します。image-2025-12-22_21-54-20.png

  2. GP接続後の挙動確認

    • GlobalProtectが「接続済み」になるのを待ちます。

    • 再度 Yahoo! などへアクセスし、今度はインターネットへ正常にアクセスできることを確認します(Prisma Access経由)。image-2025-12-22_21-53-52.png

    • 最後に、**擬似プリンター(LAMPサーバー)**へアクセスします。

      • 同一セグメント上のリソースに対し、VPNトンネルを通さず(ローカルブレークアウトして)アクセスできれば成功です。

まとめ

以上の手順にて、Prisma Access環境下でのローカルブレークアウト検証が完了しました。 セキュリティポリシーで「常時接続」を強制している場合でも、適切にスプリットトンネル(除外設定)を入れることで、ローカルネットワーク上のプリンターや複合機との通信を維持することが可能です。

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