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Oracle Database@AWSに待望のアップデート!Multiple ODB Peeringで柔軟なマルチAZ構成が可能に

クラウドエンジニアの皆さん、ついに来ましたね。
Oracle Database@AWSにおいて、構成設計の大きな壁となっていたネットワーク制限を打ち破る「Multiple ODB Peering」がリリースされました!

https://docs.aws.amazon.com/odb/latest/UserGuide/configuring.html#multiple-app-vpcs

これまでは「構成上、どうしてもここがネックになるんだよな...」と頭を抱えていたエンジニアも多いはず。
今回のアップデート内容とそのインパクトを整理して解説します。

従来の制限:1:1の壁とマルチAZの難しさ

これまでのOracle Database@AWSにおける接続構成には、非常に厳しい制約がありました。

●1:1の固定関係: VPCとODB Network(Oracle Database Network)は、常に1対1でピアリング接続する必要がありました。
・1つのVPCは、1つのODB Networkとしかピアリングできない。
・1つのODB Networkは、1つのVPCとしかピアリングできない。

●単一AZの制約: ODB Networkは単一のAvailability Zone (AZ) に作成されます。
この制約があるため、例えば「アプリケーションをマルチAZで冗長化し、負荷分散させたい」と考えた場合、VPCを分割するか、あるいはTransit Gatewayを経由させる必要がありました。
設計がどうしても複雑になり、ネットワークホップも増えてしまうのが悩みどころでした。

Oracle Database@AWSに待望のアップデート!_画像1.png

新機能「Multiple ODB Peering」で何が変わる?

今回のアップデートで、この1:1の制限が撤廃されました。

★多対多の接続が可能に★
・複数のVPCを1つのODB Networkに接続できる。
・1つのVPCを複数のODB Networkに接続できる。

これにより実現できる構成

この機能拡張により、以下のような実践的なアーキテクチャがシンプルに実現可能になります。

1.DBのマルチAZ(Active/Standby)構成 VPC内にマルチAZでアプリケーションをデプロイし、それぞれのAZにあるODB Networkへ直接ピアリング。アプリ側で負荷分散しつつ、DB層はActive/Standbyの堅牢な構成をとることが容易になります。

2.Transit Gatewayレスな複数アプリ共有 「複数のアプリケーション(異なるVPC)から1つの共有DBにアクセスする」という構成が、Transit Gatewayを介さずとも構成できるようになります。

これまでOracle Database@AWSを利用しようとするとTransit Gatewayがほぼ必須でした。
Transit Gateway自体はVPC間の接続やDirect Connectの接続で利用されていので導入のハードルが高いものではないですが、どうしても直接ODB Peeringするよりもレイテンシが増加します。
直接接続できる選択肢が増加したというのは大きなメリットです!

Oracle Database@AWSに待望のアップデート!_画像2.png

注意点と制限事項

非常に強力な機能ですが、導入にあたってはいくつか注意すべき点があります。

・IPアドレスの重複禁止: 接続するVPC間、およびODB Network間でIPアドレス範囲が重複してはいけないという、ネットワークの基本ルールは当然適用されます。

・既存環境のアップグレード(再作成)が必要: 2026年2月7日より前に米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)で作成されたODBネットワークでこの機能を利用するには、ネットワークのアップグレードが必要です。

・「再構築」のハードル: ODB Networkをアップグレードするには、一度ネットワークを削除して再作成する必要があります。しかし、ネットワークを削除するためには、その上で動いているVMクラスタを削除しなければなりません。

DBサーバー自体の再構築が必要になるため、既存の本番環境で「ちょっと試してみよう」と気軽に手を出せるものではありません。ネットワーク構成の根本的な変更になるため、綿密な移行計画が不可欠です。

まとめ:構成の幅がグッと広がる神アプデ

これまでマルチAZ構成を検討する際、「ODB Peeringの1:1制限をどう回避するか...」という思いをしていたエンジニアにとっては、まさに救世主のようなアップデートです。
ネットワーク構成がシンプルになることで、管理コストの削減やトラブルシューティングの容易化も期待できます。
Oracle Database@AWSを利用したエンタープライズ構成の幅が、これで一気に広がりました。

今回の機能については、今後実際に設定してみた際の手順や挙動のリポートも、このブログで公開していければと思っています!

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