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【クラウド比較】OCIとAWSのセキュリティサービスを徹底整理!全体像から理解する防衛策

OCIとAWSのセキュリティサービス比較まとめ

はじめに

近年、コストパフォーマンスの高さやエンタープライズ向けの堅牢なアーキテクチャが評価され、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI) が大きな注目を集めています。「新しいプロジェクトでOCIを採用することになった」「マルチクラウドの一環としてOCIを導入したい」といったケースも増えてきています。

しかし、これから新しくOCIを使い始めようとする方にとって、最初に壁となるのが「機能や提供されているサービスが多すぎて、どれを使えばいいのか分からない」ということです。特に、システムの安全性を担保するセキュリティサービスの全体像を把握することは、最も重要かつハードルが高い課題の一つです。

そこで本ブログでは、これからOCIの利用を始める方を対象に、OCIの主要なセキュリティサービスを整理して解説します。その際、クラウド市場で最も利用率が高く、多くの方にとって比較の基準としやすい Amazon Web Services(以下、AWS) を比較対象として採用しました。

「AWSでいうところのあのサービスは、OCIだとどれにあたるのか?」という視点で対応関係を見ていくことで、OCIのセキュリティ機能がより直感的に、スムーズに理解できるはずです。

このブログの目的と対象読者

この記事は、以下のような方に向けて執筆しています。

  • これからOCIの利用を始める、または導入を検討している方
    • AWS等の利用経験を活かし、「AWSのあのサービス(例: WAF, KMS, IAMなど)は、OCIではどのサービスに該当するのか?」という疑問を解消するためのガイドとしてご活用ください。
  • マルチクラウド環境でのセキュリティ設計を担当、または学習しているエンジニア
    • 各クラウド特有のセキュリティ思想やアーキテクチャ(例えば、OCIの「コンパートメント」の概念など)の違いを把握する手助けとします。

このブログで記載している内容

この記事では、クラウドセキュリティを構成する主要な要素を以下の4つのカテゴリに分類し、それぞれについてOCIとAWSの代表的なサービスを一覧表で比較します。

  1. 認証・アクセス管理: ユーザー、グループ、権限の管理(IAM関連)
  2. ネットワーク・インフラ保護: WAF、ファイアウォール、踏み台サーバーなどの境界および内部防御
  3. 監視・統制・脆弱性管理: クラウド環境の定常的な監視、セキュリティポリシーの強制、脆弱性の継続的な検出
  4. データ保護・暗号化: 暗号化キーの一元管理、証明書の運用、データベースやストレージの保護

また、一覧表の後には、「各サービスの詳細比較ポイント」として、特に注目すべき機能やアーキテクチャの違いについて解説しています。

それでは、具体的なサービスの比較を説明します。

セキュリティサービス比較表

カテゴリ OCI サービス 対応する/類似する AWS サービス 概要・主な用途
認証・アクセス管理 OCI Identity and Access Management (IAM) AWS Identity and Access Management (IAM) ユーザー、グループ、ポリシーを用いたアクセス制御
ネットワーク・インフラ保護 OCI Web Application Firewall (WAF) AWS WAF Webアプリケーションへのレイヤー7レベルの攻撃を防御
OCI Network Firewall AWS Network Firewall VCN/VPCレベルでの高度な脅威防御(L3〜L7)、侵入検知/防止(IDS/IPS)
OCI Bastion AWS Systems Manager Session Manager / EC2 Instance Connect プライベートネットワーク内のリソースへのセキュアなアクセス(踏み台サーバー不要)
監視・統制・脆弱性管理 OCI Cloud Guard AWS Security Hub / Amazon GuardDuty クラウド環境のセキュリティ態勢の監視、設定不備や脅威の検出
OCI Security Zones AWS Organizations (SCP) / AWS Control Tower ベストプラクティスに基づき、リソースのセキュリティ設定を強制するポリシーの適用
OCI Vulnerability Scanning Service Amazon Inspector コンピュートインスタンスやコンテナイメージの脆弱性(CVE)やオープンポートの継続的なスキャン
データ保護・暗号化 OCI Vault AWS Key Management Service (KMS) / AWS Secrets Manager 暗号化キーの集中管理、およびシークレット(パスワードやAPIキーなど)の安全な保存
Oracle Data Safe Amazon Macie (※データ保護の観点) データベースのセキュリティ評価、ユーザーリスク評価、機密データの検出とマスキング
OCI Certificates AWS Certificate Manager (ACM) TLS/SSL証明書のプロビジョニング、管理、展開の自動化


各サービスの詳細比較ポイント

1. 認証・アクセス管理 (IAM)

アイデンティティとアクセス制御

  • OCI IAM: OCIのIAMは「コンパートメント」という概念を用いてリソースを論理的に分離し、アクセス制御を行うのが特徴です。また、アイデンティティドメイン(旧IDCS)が統合され、より強力なID管理機能を提供しています。
  • AWS IAM: AWSリソースへのアクセスを細かく制御します。IAMロールによる一時的な認証情報の活用がベストプラクティスとされています。

2. ネットワーク・インフラ保護

Web Application Firewall (WAF)

  • OCI WAF: OWASP Top 10などの一般的なWebの脆弱性(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなど)からアプリケーションを保護します。ルールのカスタマイズやマネージドルールの利用が可能です。
  • AWS WAF: OCI WAFと同様に、OWASP Top 10などの一般的なWebの脆弱性からアプリケーションを保護します。ルールのカスタマイズやマネージドルールの利用が可能です。

Network Firewall

  • OCI Network Firewall: パロアルトネットワークスやSuricataなどの技術をベースにした高度なファイアウォール機能を提供します。
  • AWS Network Firewall: OCI Network Firewallと同様に、パロアルトネットワークスやSuricataなどの技術をベースにした高度なファイアウォール機能を提供します。

踏み台サービス (セキュアアクセス)

  • OCI Bastion: マネージドな踏み台サービスとしてSSH/RDPなどを提供します。
  • AWS Systems Manager Session Manager: エージェントベースでポートを開放せずにアクセス可能な点でOCI Bastionと類似しますが、アーキテクチャに違いがあります。

3. 監視・統制・脆弱性管理

セキュリティ監視・CSPM

  • OCI Cloud Guard: OCIネイティブで無料で提供される強力なセキュリティポスチャ管理(CSPM)ツールです。テナンシ全体の設定チェックなどを自動で行います。
  • AWS Security Hub / Amazon GuardDuty: OCI Cloud Guardに対応し、クラウド環境のセキュリティ態勢の監視、設定不備や脅威の検出などを一元的に行います。

セキュリティポリシーの強制(ガードレール)

  • OCI Security Zones: 事前に定義された厳格なセキュリティポリシーをコンパートメントに強制し、違反するリソースの作成を防ぎます。
  • AWS Organizations (SCP) / AWS Control Tower: OCI Security Zonesのガードレールに近い機能であり、アカウント全体へセキュリティポリシーを強制してベストプラクティスを適用します。

脆弱性スキャン

  • OCI Vulnerability Scanning Service: ホストやコンテナの脆弱性をスキャンし、パッチ適用のサイクルの効率化を支援します。
  • Amazon Inspector: OCI側と同様に、ホストやコンテナの脆弱性をスキャンし、パッチ適用のサイクルの効率化を支援します。

4. データ保護・暗号化

暗号化キー・シークレット管理

  • OCI Vault: KMS機能とシークレット管理機能を統合して提供しています。キーを持ち込む(BYOK)ことも可能です。
  • AWS Key Management Service (KMS) / AWS Secrets Manager: OCI Vaultに対応し、暗号化キーの集中管理(KMS)やシークレットの安全な保存(Secrets Manager)を提供します。

データベース・データ保護

  • Oracle Data Safe: Oracle Database(OCI上、オンプレミス両方)に特化した強力なデータベースセキュリティ統合管理サービスです。機密データの検出やマスキングができるのが特徴です。
  • Amazon Macie: Oracle Data Safeとは対象が異なりますが、AWS環境においてS3上のデータに対する機密データの検出や保護を行う類似のアプローチを提供します。

証明書管理

  • OCI Certificates: 証明書の発行や更新を自動化し、ロードバランサーなどのリソースにシームレスに適用できます。
  • AWS Certificate Manager (ACM): OCI Certificatesと同様に、TLS/SSL証明書の発行や更新を自動化し、リソースへシームレスに展開できます。

終わりに

今回は、OCIとAWSの代表的なセキュリティサービスをカテゴリごとに比較・整理しました。両者は独自のアーキテクチャや思想を持っていますが、提供されている機能の目的(ネットワーク保護、アクセス制御、監視、データ保護など)には多くの共通点があります。これからOCIを活用するAWSユーザーや、マルチクラウド環境でのセキュリティ設計を行う際の参考にしていただければ幸いです。

今後は、今回整理したセキュリティサービスを実際に環境上で動作させ、より実践的なAWSとの比較を実施していく予定です。

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