Re:Q Tech Blogをご覧いただきありがとうございます。
インフラ技術部のIです。
Oracle Linux Virtualization Manager・Oracle Linux KVMで知っておくとチョット便利な技術や情報について、
連載という形でこれから発信していきます!
サクッと読める内容となっていますので、お時間がある際に是非ご覧ください!
1.2025年7月時点のバージョン情報
Oracle Linux Virtualization Manager×Oracle Linux最新バージョンの組み合わせについてです。
一年前にも最近のOracle Linux KVM・OLVM情報(2024年7月)において最新バージョンを共有させて頂きましたが、
執筆時点でもバージョンは変わらず、以下が最新となっています。
製品 | バージョン |
Oracle Linux | 8.10 |
Oracle Linux Virtualization Manager | 4.5 |
※OLVM4.5に対応しているOSはOracle Linux8.8以降となります。
執筆時点ではOracle Linuxは9.6がリリースされております。
しかし、OLVM4.5導入には対応していないため、Oracle Linux 8.8~10から選択する必要が出てきます。
バージョンの更新などがあれば、Re:Q Tech Blog内でも展開させて頂きますが、
現時点での最新バージョンの組み合わせなどについてはOracle公式ドキュメントより確認可能ですので、併せてご確認ください。
また、古いバージョンから最新OLVM 4.5へのアップグレードをご検討中のお客様がいらっしゃれば、
Re:Qではバージョンアップグレードも対応しておりますので、お問い合わせください。
以下の記事にバージョンアップグレードについて記載させて頂いておりますので、是非ご覧ください。
【OLVMアップグレード】アップグレード方法の種類
2.バージョン確認方法(OLVM,KVM)
バージョン確認は簡単な手順であるにも関わらず、環境構築や運用・保守の中で頻繁に使用される重要な作業となります。
例えば、ご紹介させて頂いたアップグレードでも、必ず初めに現行バージョンの確認を行います。
バージョン確認を行うことで、アップグレードの適用可能性や必要な準備を正確に把握することができます。
また、弊社において検証や構築作業時に予期せぬエラーが発生した場合、トラブルシューティングを実施する際には、
問題がバージョンに起因しているかどうかを切り分けるために必ずバージョン確認を行います。
本記事では、OLVMおよびKVMのバージョン確認手順をOLVM Web UIおよびCLIで確認する2通りの手順を記載いたします。
2-1.OLVM Web UIからの確認方法
2-1.1.OLVMバージョン確認
1.OLVM Web UIへログインします。
URL:https://"OLVM-FQDN"/ovirt-engine/
2.[管理ポータル]選択後、"ユーザー","パスワード"を入力してログインします。
3.画面右上の[ヘルプ]→[バージョン情報]をクリックすると、OLVMバージョンが表示されます。
"ソフトウェアバージョン:XXXXXX"がOLVMのバージョンとなります。
以下の画像だと、バージョンは"4.5.5-1.34.el8"となります。
2-1.2.KVMバージョン確認
1.OLVM Web UIへログインします。
URL:https://"OLVM-FQDN"/ovirt-engine/
2.[管理ポータル]選択後、"ユーザー","パスワード"を入力してログインします。
4.[対象のKVMホスト]→[全般タブ]をクリックします。
5.[ソフトウェア]項目のKVMバージョンより確認可能です。
2-2.CLIからの確認方法
2-2-1.OLVMバージョン確認
1.OLVMへSSH接続を行います。
2.以下のコマンドを実行して、バージョン確認を行います。
# rpm -qi ovirt-engine
Name : ovirt-engine
Version : 4.5.5
Release : 1.34.el8
2-2-2.KVMバージョン確認
1.KVMホストへSSH接続を行います。
2.以下のコマンドを実行して、バージョン確認を行います。
# qemu-system-x86_64 --version
QEMU emulator version 7.2.0 (qemu-kvm-7.2.0-23.module+el8.10.0+90624+7ebbe156)
Copyright (c) 2003-2022 Fabrice Bellard and the QEMU Project developers
3.OLVM×API
Oracle Linux Virtualization Managerでも、実はAPIが使用可能です!
OLVMではREST APIが提供されているため、クラスターへのKVMホスト追加や仮想マシンの作成、起動・停止など
様々なことを実施することができます。
APIドキュメント
APIドキュメントはOLVM Web UIへ接続後、以下より確認可能です。
・URL
https://"OLVM-FQDN"/ovirt-engine/apidoc/
API使用条件
APIを使用するには以下の条件を満たす必要が有ります。詳細についてはOLVMのAPIドキュメントをご確認ください。
・クライアントからOLVMへのネットワーク疎通が可能であること
・クライアントにCA証明書をインストールしていること
・クライアントに以下のいずれかがインストールされていること
oVirt Python SDK
oVirt Java SDK
cURL command line tool
REST Client
・OLVMユーザーを所有していること
認証方法
認証方法としては、OAuthまたはHTTP Basic認証がサポートされています。
ただし、HTTP Basic認証は後方互換性のためにサポートされているものであり、OLVMバージョン4.0以降では将来廃止される予定です。
そのため、可能であればOAuthを使用することが推奨されます。
サンプルAPI
OLVM(OS)へログインすると以下のディレクトリ配下にoVirt Python SDK用のサンプルAPIが110個ほど配置されております。
・ディレクトリ
/usr/share/doc/python3.11-ovirt-engine-sdk4/examples
サンプルAPIの実行
ディレクトリの中から"show_summary.py"を実行して、OLVMのバージョンを確認します。
OLVM×APIの検証記事は、後日投稿予定ですので、そちらをご覧ください!
環境としてはOracle Linux 8.10に対して"oVirt Python SDK"を導入しています。
"show_summary.py"には、OLVMバージョンを確認するAPIなどが記載されています。
# Get API information from the root service:
api = connection.system_service().get() print("version: %s" % api.product_info.version.full_version)
実行結果は以下となります。
# ./show_summary.py
version: 4.5.5-1.34.el8
上記は簡易的なバージョン確認用APIでしたが、バージョン確認以外にも仮想マシンの作成や管理をはじめとする
日常の運用タスクを自動化することが可能となります。
これにより、業務効率化が進み、時間やリソースの節約だけではなく他のツールとの統合が容易になり、
全体の柔軟性と拡張性が向上します。是非、APIもご活用ください!
以上、知っておくと少しだけ嬉しい豆知識でした!
これからも定期的にOracle Linux KVM、Oracle Linux Virtualization Managerの情報を発信していきますので、是非ご覧ください!