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【Oracle GoldenGate】ダウンストリーム構成について

本記事はOracle GoldenGate(GG)のダウンストリーム構成について記載していきます。
GGに関する概要としては「Oracle GoldenGateについて」をご覧ください。

また、本記事では、ソース・DBとターゲット・DBどちらもOracle Databaseを想定した記載としております。

はじめに - GGのダウンストリーム構成について

・ダウンストリーム構成のGGとは?

ソース・DBサーバ上に GGを直接インストールせず、別のサーバにGGを配置してログの取得・トレイル作成や転送処理を行う構成です。
以下のような問題がある場合に採用することがあります。

  1. ソース・DBサーバにGGをインストールできない場合。
    - 容量の余裕がない場合
    - 顧客のコンプライアンス観点から、稼働中のDBシステムに新たなソフトウェア導入が不可である場合

  2. ターゲット・DBとソース・DBのバージョンにGGの互換性が無い場合
    - 例えばターゲット・DBが19c、ソース・DBが11.2.0.4未満である場合、GGの互換性がないためダウンストリーム構成が選択肢に入ります。

構成について

構成としては下図の通りになります。
DBGGのバージョンに関しては一例です。

3.png

) GG ダウンストリーム構成例

通常のGGの構成と大きく異なるところは、ソース・DBシステムとターゲット・DBシステムの間にマイニング・DBシステムが入る点です。
マイニング・DBシステムは下記の役割を担います。
・ ソース・DBシステムとの間にDataGuard(DG)を構成し、データのレプリケーションを取る。
・ ソース・DBシステムからレプリケーションされたデータを元にGG機能でターゲット・DBシステムにデータ転送をする。

動作の流れとしては下記の通りです。

<ソース・DBシステム>

  1. REDOログをDG機能でマイニング・DBシステムへ転送します。

<マイニング・DBシステム>

  1. ソース・DBシステムから転送されてきたREDOログから論理変更レコード(LCR)を構築します。
  2. CaptureプロセスがLCRからTrailファイルを作成します。
  3. Data Pumpプロセスによって、ターゲット・DBシステムへ変更データが送られます。

<ターゲット・DBシステム>

  1. Collectorプロセスによって、送られてきたデータが受けとられターゲット・DBシステム側のTrailファイルに変更情報が書き込まれます。
  2. Replicatプロセスによって、Trailファイルの情報からSQLが生成され、ターゲット・DBシステムにデータ変更が適用されます。

GGのプロセスや動作に関しては「Oracle GoldenGateについて」も合わせてご覧ください。

ダウンストリーム構成GGの構成に必要な設定

ダウンストリーム構成GGを構成する際に、通常の設定に追加で必要になるものを記載します。

  1. ソース・DBシステムからマイニング・DBシステムへのREDOログ転送設定
    DG構成が必要であるため、そのために必要な設定をします。
    具体的に以下の初期化パラメータ設定が必要になります。
    4.png
  2. 各プロセスのパラメータファイル編集(Captureプロセス設定)
    Captureプロセスの設定ファイルに、ダウンストリーム構成用のパラメータとして、

    「TRANLOGOPTIONS」に以下を設定する必要があります。
    5.png

  3. スタンバイREDOログの構成
    DGを構成するため、スタンバイREDOログをマイニング・DBに構成する必要があります。
    (以下2点を踏まえて構成します。)

    ① ソース・DBREDOログと同等のサイズ
    ② ソース・DBのREDOロググループ数に1つ以上追加したスタンバイREDOロググループ数
      (ソース・DBのREDOスレッドごと)

    ※例) ソース・DBREDOログが2スレッドで1スレッドにつき3グループ構成である場合は、
       スタンバイREDOログは2スレッドで1スレッドにつき4グループ以上にします。

  4. Extractモードの制限
    ダウンストリーム構成はログマイニング・サーバーを利用してデータを読み取るため、
    Capture統合モードが必須です。

まとめ

本記事ではGGダウンストリーム構成についてまとめてみましたが、いかがでしたか。GGへの理解を深めるきっかけになりましたら幸いです。
古いバージョンで導入を諦めていた方も、環境によっては対応できる場合がありますので、まずはお気軽に弊社までお問い合わせください。

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