今回は2024年12月に新たにサービスが開始されたOracle Enterprise Manager 24ai(OEM 24ai)の主要新機能2つについて
紹介します。
①リモートエージェント
概要:従来のOEMエージェントは監視対象サーバへ直接インストールを行いますが、OEM 24aiのリモートエージェントは、監視対象のサーバとは別のサーバにインストールします。
リモートエージェントによって、複数の監視対象サーバを集約して監視が可能になりました。
(※ただし監視対象はデータベースのみとなります。)
前提条件:監視対象サーバとは別に、リモートエージェントをインストールするためのサーバが必要です。
(※リモートエージェント導入サーバはOEMの監視対象とはなりません。)
備考:OEM 24aiにおいても従来型のエージェントを構成することは可能です。

■従来型エージェントとリモートエージェントの比較
従来型エージェントに比べて、リモートエージェントは1つのサーバにエージェントを導入するだけで済むため、
監視対象サーバが数百台におよぶ大規模構成において非常に有効な機能です。

②ゼロダウンタイム監視
概要:OEMメンテナンス時、従来型の監視では監視機能が一時的に停止し、その間のアラート検知/通知の利用ができませんでしたが、OEM 24aiでは、ゼロダウンタイム監視によりダウンタイム無しでの継続した監視が可能になりました。
前提条件:2ノード以上の高可用性構成のOEMサーバと、接続を振り分けるためのロードバランサが必要となります。
備考:OEM 24aiにおいても従来型の監視構成とすることは可能です。

■従来型監視とゼロダウンタイム監視の比較
OEM 13c以前の構成では監視機能とOEMメイン機能が一体化されていましたが、OEM 24aiでは監視機能とOEMメイン機能が分離したことでゼロダウンタイム監視が実現しました。
ただし、メンテナンス時はOEMメイン機能が停止するため、コンソールは使用出来なくなるので注意が必要です。

最後に
一見、従来のOEMに比べるとスゴイ新機能だ!と感じられますが、それに伴い導入の前提条件のハードルも高くなっています。
今回紹介しましたOEM 24aiの新機能を利用したいと考えているお客様には、サーバの構成を考慮した上での提案をする必要があるため要注意です。
また、OEM 24ai Release Update 4 (RU4)からAI機能が搭載されました。こちらの機能を使用するには、OCI GenAIが使用可能なus-chicago-1リージョンに、サブスクライブされているOCIアカウントと、Ops Insights サブスクリプション(有償)が必要です(2025年10月時点)。詳細については以下のOracleの記事をご覧ください。
Introducing "Ask EM" Your GenAI Assistant in Enterprise Manager 24ai
以上、OEM 24aiの新機能情報でした。お役に立てれば幸いです。


