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【Oracle AI World Tour Tokyo 2026 現地参加レポート⑤】Oracle AI Database 26ai へのアップグレード:ベストプラクティスと最新情報について

こんにちは、DB技術統括部のN.Aです。
2026/04/16に東京で開催された「Oracle AI World Tour Tokyo」に参加しました。

今回は、数あるセッションの中でも特に現場目線で「明日からすぐに検証してみたくなる」ノウハウが凝縮されていた、日本オラクルの田島氏によるセッション「Oracle AI Database 26ai へのアップグレード:ベストプラクティスと最新情報」を紹介いたします。

「AIの進化は目覚ましいけれど、足元のデータベース管理はどう進化しているの?」という疑問に対する、オラクル公式の回答とも言える非常に濃密な20分間でした。

はじめに

データベースのアップグレードは、システム運用において非常に大きなイベントです。本セッションでは、新たに登場した「Oracle AI Database 26ai」を対象に、安全かつ効率的に最新環境へ移行するための実践的なノウハウが紹介されました。

セッション概要

本セッションは、新たに登場した「Oracle AI Database 26ai」へのアップグレードを検討するユーザーに向けた包括的なガイドです。アップグレード時に必須となる「影響調査」の具体的な手法から、業務停止時間を最小限に抑えるための最新ツール「AutoUpgrade」を用いた実践的な移行方式までが詳しく解説されました。

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セッション内容

①「Oracle AI Database 26ai」に関する前提知識

Oracle Databaseのリリース方針とアップグレードに関する重要な前提知識を整理しておきます。

  • 2つのリリースタイプ: Oracle AI Databaseには、長期間安定して運用したいシステム向けの「Long Term Release」と、最新機能をいち早く試したいユーザー向けの「Innovation Release」の2種類があります。
  • 26aiの立ち位置: 今回の「26ai」は23c(23ai)から置き換わる形で作られた、最新のLong Term Releaseに該当します。
  • 旧バージョンからのアップグレードパス: 11.2.0.4、12.1.0.2、12.2.0.1、および18cといった古いバージョンからは、直接26aiへアップグレードすることができません。一度19cまたは21cへアップグレードを経由する必要があります。
    サポート期限への配慮: 過去のバージョンの多くはすでにサポートのタイムラインが終了、または終了に近づいているため、これが早急なアップグレードを計画する大きな要因となります。

②アップグレード時の影響の調査


アップグレードを成功させるためには、事前の影響調査が欠かせません。セッションでは大きく3つの調査方法が紹介されました。

  • マニュアル等による仕様変更の確認: 「データベース・アップグレード・ガイド」などの公式ドキュメントを参照し、動作の変更点や非推奨・サポート終了となった機能、ビュー、パラメータを確認する基本の手法です。
    (異なるバージョン間の互換性サポート確認公式ドキュメント(要MOSアカウント):KB141043)
  • ORAdiffによるリリース間の変更差分確認: 「ORAdiff」というWebツールにアクセスし、現在利用中のバージョンとターゲットバージョン間のパラメータやオブジェクトの差分を洗い出します。動的パラメータの変更点なども一目でレポーティング可能です。
    URL: https://oradiff.oracle.com(要MOSアカウント)
  • Oracle Real Application Testing (RAT) による影響調査: 現行環境で実際に流れているSQLを取得し、新バージョンのテスト環境で実行して比較します。これにより、SQLの非互換性や実行計画の変動(性能低下)がないかを本番前に確実に見極めることができます。
    IMG20260416132403.jpg

③アップグレードの方式の紹介


アップグレードの方式として、OCI上のデータベースをコンソールやCLIから直接アップグレードするクラウドツールの活用方法が紹介されました。さらに、本セッションの目玉として、「リフレッシュ可能クローン」と「AutoUpgrade」を組み合わせた手法の実例が解説されました。これは、別サーバーへデータベースを移行しつつアップグレードを行う際に、非常に有効な手段です。

【作業手順の流れ】

  1. データベース・リンクの作成: ソースデータベース(移行元)とターゲットデータベース(移行先)をつなぐリンクを作成します。
  2. AutoUpgradeの準備と設定: ツールをダウンロードし、ソースデータベースやターゲットデータベースの情報を記載した「Configファイル(.cfg)」を作成します。この設定ファイルが実行の鍵となります。
  3. 事前チェックの実行: ソースデータベースに対してチェックコマンドを流し、エラーの原因となる箇所を洗い出して自動で修正(フィックスアップ)を行います。
  4. リフレッシュとアップグレードの実行: ターゲットデータベース上でクローンを作成し、指定したアップグレード開始時間(start_time)まで、60秒などの一定間隔で変更データ(REDOログ)を自動的にリフレッシュし続けます。

AutoUpgrade                      リフレッシュ可能クローン

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【所要時間とダウンタイムのメリット】
この方式の最大のメリットは、ダウンタイムの極小化です。データの大部分をバックグラウンドで同期し続けるため、通常業務を継続したまま移行準備が進められます。システム停止が発生するのは、最終的な更新データをリフレッシュしてアップグレード処理を行う「最後の切り替えの瞬間」のみとなります。

まとめ

本セッションを通じて、Oracle AI Database 26aiへのアップグレードは、提供されているドキュメントやORAdiffなどのツールを活用して計画的に行うべきであることがよく理解できました。また、AutoUpgradeとリフレッシュ可能クローンの組み合わせにより、複雑な移行作業が驚くほどシンプルに自動化できることも大きな発見でした。

AIがビジネスでどんどん活用されていく中、多くの企業が最新の「Oracle AI Database 26ai」を試したいという強いニーズを持っています。今回紹介された手法を用いれば、システムを丸ごと新しく作り直すよりも、既存環境からのシームレスなアップグレードによって非常に大きなコスト削減ができる点が最大の魅力だと感じました。

また、クラウド化や別環境へのデータベース移行ニーズが高まっている今の時代において、ダウンタイムを最小限に抑えつつ安全に移行できる「AutoUpgrade」の実践手法は、まさに現場で即座に活用できるベストプラクティスだと確信しました。

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