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【Oracle AI World 2025現地参加レポート④】個別セッションレポート「難しくない、よりスマートにパッチを適用する」

こんにちは!DB技術統括部のS.Oです。現在ラスベガスにて開催中の「Oracle AI World」内で行われたパッチ適用に関する個別セッションの内容について報告します!

普段、私は業務でOracle DatabaseにRelease Updateや個別パッチを適用することが多いですが、
「AutoUpgrade」を使用してパッチ適用を簡単にする方法が画期的だったので紹介します。
※以下、AutoUpgrade機能を使用したアウトオブプレースのパッチ適用を前提としています。

AutoUpgrade使用の背景と目的

  • データベースパッチを「スマホのアップデート」のように簡単にしたい
  • 手動操作や複雑な設定を排除し、より頻繁なパッチ適用を促進
  • 安全かつ自動的に最新の状態を維持できる仕組みを提供

従来のパッチ作業手順

  1. My Oracle Supportでパッチを検索・ダウンロード
  2. 新しい Oracle Home を作成
  3. パッチ適用
  4. データベースを新しい環境へ移行
  5. 動作確認

この一部の流れについてはすでに自動化する機能が提供されていましたが、この一連の流れ全体を自動化できる機能が2024年9月から提供されているとのことです。

この機能を使うことでより簡単に、安全にパッチを適用することができるようになります。
最新バージョンである25.5も近日中にリリース予定です。


本稿では、AutoUpgrde機能の詳細な手順や仕様については言及しませんが、セッションにて紹介されていたAutoUpgradeの主な新機能についていくつか紹介します。

主な新機能

  • ワイルドカードでフォルダを指定
    • 例 %RELEASE%、%UPDATE%、%V1D%などのワイルドカード指定で自動的に最新リリース番号のフォルダが作成
    • 毎回confファイルを書き換えが不要に
  • 21c/23ai に対応
    • 21c,23aiがサポート対象になる
    • これまでは19cのみのサポート
  • confファイル自動生成
    • -auto オプションで現在の環境情報から設定ファイルを自動生成
    • 専用GUIツールも公開されており、視覚的な設定が可能
  • JDKパッチ自動適用
    • Oracle Home 内のJDKを最新化可能
  • MRP(月次推奨パッチ)自動取得
    • セキュリティ・重要修正パッチを自動で取り込み
  • Grid Infrastructure 対応
    • セキュリティ・重要修正パッチを自動で取り込み
    • Oracle Clusterware (GI) も自動パッチ対象に
    • recommended 指定で関連パッチを自動取得
  • オフライン環境でも利用可能
    • インターネットがないセキュアな環境でも別サーバーでパッチをダウンロードし、転送する方式をサポート
  • 新しいOracle Homeの自動構築
    • 新規サーバーでもAutoUpgradeを使って自動的にOracleHomeを作成、パッチを適用
  • Data Guard 環境での適用
    • スタンバイ側で事前テスト → 問題なければスイッチオーバー
    • 本番ダウンタイムを最小化
    • 自動切り替え機能で安全性向上

以下はセッション内で実際にAutoUpgrade機能によりパッチを適用するデモの様子になります。

IMG_2725.jpg

まとめ

上記の新機能を組み合わせて使うことで、従来の適用方法でネックとなっていた複数箇所へのパッチ適用の手間や作業ハードルの高さからくる適用頻度の低さを改善できるのではと思いました。
スマホのようなワンクリック・再起動でアップデートが手軽に行える未来も近いなと感じたセッションになりました。

詳細なAutoUpgrade機能の手順や仕様についても弊社で検証後、再度紹介したいと思います。

現地の様子は、私を含めた参加メンバー4人でSNSを随時更新しております!現地の雰囲気が気になる方はこちらもチェックしてみてください!

(Re:Q 公式Xアカウント)@reqtc
(Re:Q 公式Instagramアカウント) @reqtc
(Re:Q DB部エンジニアXアカウント) @db_reqtc

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