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EnterpriseManager でバックアップ情報を連携(Part1)

はじめに

Veeamには「Veeam Backup Replicationコンソール」や「VeeamONE」のような、管理・運用するために必要な、非常に使いやすい管理ツールが用意されています。ただ、環境によっては別の環境でVeeamのバックアップステータスを確認したい、ということもあるかと思います。そのために、Veeamでは例えばメールとか、あるいはSNMPとかでバックアップジョブのステータスを管理することもできるのですが、今回は、「Veeam Backup Enterprise Manager(以下VBEMとします)」のRESTAPIを利用して、PythonにてVeeamのバックアップジョブステータスを確認していきたいと思います。

VBEMとは

という話を始める前に、まずは軽く、VBEMについて説明したいと思います。
VEMは、「Veeam Backup & Replication(以下VBRとします)」向けのオプションのWebベースの管理およびレポート作成コンソールです。これによりユーザーは、複数のVBR環境を一元管理することが可能です。以下のようなダッシュボードが用意されています。
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VBEMでできること

VBEMは、主に以下のようなことができます。

  • バックアップジョブの集中管理
    複数のバックアップサーバを持つ環境でも、中央から効率的に操作可能
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  • レポートとモニタリング機能
    詳細なレポート機能により、定期的な監査や運用レポートの作成作業を簡略化
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  • ユーザーごとのアクセス権管理
    また、特定のユーザに、特定のバックアップのリストアのみを許可するというような、ユーザへのリストア委任の制限をつけることもできます。
    マルチテナント環境ではぜひ実装したい機能となりますね。
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大きな機能としては上記の3点となりますが、それに加えてインタフェースの日本語化や(これからご説明する)API機能を利用した運用操作(バックアップ管理の自動化やカスタムレポートの生成)も可能です。

例えば、Pythonを使用して、バックアップジョブを実行したり、モニタリングしたり、あるいは特定データの取得を行ったりするスクリプトを作成することができます。これにより、日々の業務をさらに効率的にするだけでなく、ITインフラの柔軟性も高めることが可能です。
大規模環境の管理向けということですが、個人的には管理規模の大小にかかわらずインストールして良いのではないかと思います。なんせインタフェースが日本語なので。

VBEMを使うには

VBEMのインストール

ここでは、VBEMのインストールについてご紹介します。
VBEMのインストールは、VBRのインストールメディアから実行でき、VBRと同じライセンスを使用できます。
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細かい設定なども可能ですが、基本はそのままインストールできます。
インストールが完了すると、ブラウザからアクセス可能になります(デスクトップにアイコンも作成されます)。

ローカル管理者の権限を持つユーザーまたはVBEMをインストールしたユーザーのログイン情報を指定します。
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VBRの登録

VBEMのインストールが完了したら、管理対象となるVBRを登録します。
管理画面上部の「設定」→「バックアップサーバ」→「追加」を選択し、VBRサーバの追加をします。
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以上で、VBEMのインストールと設定が完了します。
次回は、この「VBEM」を使って、Pythonにてバックアップジョブのステータスを取得したいと思います。

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