【Google Cloud Next '26 in Las Vegas現地参加レポート】個別セッション:Oracle AI Database @Google Cloudの新発表!GoldenGateとAI Agentが切り拓くデータ活用
こんにちは、DB技術統括部のH.Kです。
現在、ラスベガスで開催中の「Google Cloud Next '26」に参加しています。
昨日のDay1に引き続き、連日様々な新情報が発表され会場は熱気に包まれています!
本記事では、私が参加したセッションの中から基幹システムとクラウドAIの融合を劇的に加速させる「Oracle AI Database @Google Cloud」に関する最新アップデートをお届けします。
今回のセッションでは、主に5つの重要トピックが発表されました。

目次
1. 提供リージョンの追加
2. 待望の「GoldenGate on Google Cloud」サービス開始
3. Oracle AI Database Agent for Gemini Enterpriseの登場
4. 運用負荷を下げる「Database Center」と「統合監視」
5. 【実践事例】Worldline社が語る「爆速なプロビジョニング」と「究極の高可用性」
1. グローバル展開の加速:提供リージョンの追加
Oracle AI Database @Google Cloudとは、Google Cloudのデータセンター内にOracle専用のサーバーを置き、Oracle Databaseをそのまま直接動かせるサービスです。この強力なインフラ基盤のグローバル展開がさらに加速しています。
すでに世界15のリージョンで稼働しているOracle AI Database @Google Cloudですが、昨年だけで新たに11のリージョンが追加された勢いそのままに、今年のセッションではさらに2つの新リージョンを追加することが発表されました。
Oracle AI Database @Google Cloudの普及はこれからますます加速していきそうです!
2. 待望の「GoldenGate on Google Cloud」サービス開始
リアルタイムにデータを同期するツールとして大定番とも言える「Oracle GoldenGate」が、ついにGoogle Cloud上でネイティブに利用可能になります。
※数週間以内に一般提供が開始予定
これにより、バッチ処理特有のデータ遅延が解消され、1秒未満の超高速でデータ連携が可能になります。本番稼働中のシステムから、必要なデータだけを安全に抽出してBigQueryへリアルタイム複製できるため、遅れのないデータ分析とAI活用が実現します。
3.Oracle AI Database Agent for Gemini Enterpriseの登場
本セッションで最も会場の関心を集めたのが、「Oracle AI Database Agent for Gemini Enterprise」の発表です。
※現在、Google Cloud Marketplaceにて制限付きアクセスで提供開始
私たちが普段Geminiと会話するような感覚で、Oracle Databaseへの問い合わせを可能にします。
「データ自体は外に出さず、AIをデータの場所に持っていく」という、セキュリティ面でも非常に画期的なエージェント機能です。
具体的にどのようなことができるのか、以下がその「3つの主要機能」となります。
■3つの主要機能
①自然言語によるSQL生成 (Text-to-SQL)
ユーザーがGeminiで「2025年の売上を教えて」と自然言語で質問すると、エージェントがそれをSQLクエリに変換し、Oracle Database内で直接実行します。
※データ自体はデータベースから外部へ抽出されないため、極めてセキュアな状態が保たれます。また複数回の対話を通じた深掘りや、実行されたSQLの確認も可能です。
②ID認識による厳密なアクセス制御 (Identity-Aware Access)
Oracle Database側で設定された行レベル・列レベルのセキュリティ(VPDなど)をGeminiが引き継ぎます。
~セッションでのデモ例~
例えば、「全世界のデータを見る権限」を持つAさんと、「アジアのデータだけを見る権限」を持つBさんがいるとします。
2人がGeminiに対して全く同じ「今年の売上を教えて」という質問をした場合以下のような回答になります。
→Aさんには「全世界の売上データ」を回答。
→Bさんには「アジアの売上データのみ」を回答。
このように、データベース側で設定されている「誰がどのデータを見れるか」という厳密なルールをGeminiが引き継いで守ってくれる仕組みになっています。
③拡張性のあるオーケストレーション
Google ADK(Agent Development Kit)と連携し、他のエンドポイントと組み合わせた複雑なワークフローを実行出来ます。
例えば、「Oracle DB上の売上データ」と「Web検索での市場動向」を掛け合わせ、Google Mapsによる可視化やグラフ(Matplotlib等)を含んだMarkdown形式のレポートを全自動で生成し、Google Cloud Storageに保存するといった高度な自動化が実現できるそう。
4. 運用負荷を下げる「統合監視」と「Database Center」
インフラエンジニア視点で見逃せないのが、日々の運用保守を劇的にラクにする以下の2つのアップデートです
①Google Cloud Monitoringへのネイティブ統合
Oracle DBのCPU、メモリ、セッション、接続などのメトリクスがデフォルトで連携され、他のGCPサービスと同様にダッシュボードで一元管理できます。
②AI搭載の「Database Center」によるDBの健康管理
Oracle DBを含む複数のDBをまとめて管理し、「定期バックアップが未設定」「高可用性(HA)が未構成」といったインフラリスクをAIがプロアクティブに検知し、推奨事項を提示してくれます。
5.【実践事例】Worldline社が語る「爆速なプロビジョニング」と「究極の高可用性」
セッション後半では、150ヶ国以上で決済プラットフォームを展開するWorldline社の事例が紹介されました。ミッションクリティカルな要件を持つWorldline社がどのようにアーキテクチャを構築したか、非常に実践的な内容でした。
■圧倒的なプロビジョニング速度
私が驚いたのが構築スピードです。Worldline社が採用したExadata環境は、オンプレミスのプライベートデータセンターであれば調達から稼働まで数ヶ月かかるところ、Google Cloud上ではわずか20〜60分で完了したと語られました。専用ハードウェアの性能とクラウドの俊敏性が完全に融合しています。
■厳格なコンプライアンスと高可用性(HA)の両立
GCPのネットワーク機能を活用することで、同じインフラ基盤を使いながらも、「クレジットカード情報を扱う非常に厳しいセキュリティの環境(PCI準拠)」と「通常の環境」をネットワーク上で完全に分離し、安全性を担保することに成功したと語られました。
また、単一リージョン内でのマルチAZサポートによるRTO(目標復旧時間)がほぼゼロの実現に加え、GoldenGateを活用したマルチリージョン間での論理レプリケーションを実施。片方のリージョンがダウンしても稼働し続ける、真の「Active/Active並列処理」を実現したとのことでした。
まとめ
今回発表された「GoldenGateの統合」「AIエージェントの登場」、そしてWorldline社の事例からもわかる「強靭なインフラと運用基盤」により、既存のOracle資産をGoogle Cloudへ移行させるメリットはさらに大きくなったと感じました。
既存のデータをセキュアに守りつつ最新のAI技術を活用出来るという、企業が安全にシステムを新しくしていくステップが示されたセッションでした。
引き続き、Google Cloud Next '26の現地から最新トレンドをお届けしていきます!次回のレポートもご期待ください!





