今回はOracle Database 19.7以降のバージョンから使用可能となったOracle SEHAについて紹介したいと思います。
■Oracle SEHAとは
Oracle 19cでは、Standard EditionにおいてRAC(Real Application Clusters)がサポートされなくなり、代替として提供されたものがSEHA(Standard Edition High Availability)です。
HAとは高可用性を意味し、システムを構成するサーバーやネットワークなどを冗長化して、障害時や災害時でもシステムを継続して稼働できる構成をHA構成といいます。
■特徴
・フェイルオーバー
データベースはシングルインスタンスです。アクティブノードに障害が発生した場合、パッシブノードへ自動で切替えます。また、SEHAではASMインスタンスが起動しており、共有ディスク、ファイルシステムへのリマウントを行わないため、HA構成を比較するとフェイルオーバー時間を短縮できます。
■ライセンスについて
SEHA構成はクラスタ環境でのフェイルオーバー構成となりますので「10日間ルール」の対象となります。
10日間ルールとは、年間10日間以内を限度に待機系サーバーは本番系のライセンスで稼働させる(フェールオーバーする)ことが可能、というものです。
※注意点として、10日間(=240時間)というわけではなく、24時間枠で待機系を稼働させた回数が10回以内ということになります。
例1)
月曜日 00:05~13:55
→24時間枠で1回フェールオーバー(カウント 1日)
水曜日 00:55~01:25、15:15~20:45
→24時間枠で2回フェールオーバー(カウント 1日)
土曜日 22:00~22:05
→24時間枠で1回フェールオーバー(カウント 1日)
上記の場合、カウントは3日となるため10日間ルールの対象となります。
例2)
運用のため月1でフェールオーバーしてメンテナンスする場合
→月1回×12か月=カウント12日
上記の場合、10日を超えてしまうため10日間ルールの対象外となります。
[10日間ルールの対象]
・複数のサーバーが1つの共有ディスクまたはSANにアクセスすること
・クラスタ構成であること(クラスタソフトウェア利用のactive/standby構成)
まとめますと、SEHA構成の場合は待機系での稼働が10日以内であれば待機系のライセンスは不要です。
条件を満たさない場合は本番/待機 両方にライセンスが必要となります。
以上、Oracle SEHAについて簡単な概要とライセンスについてでしたが、
少しでも参考になれば幸いです。