はじめに
Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上のOracle Base Database Serviceでは、以下の複数のフレキシブルシェイプから選択可能です。
・VM.Standard.A1.Flex(Ampere )
・VM.Standard3.Flex (Intel)
・VM.Standard.E4.Flex(AMD)
フレキシブルシェイプとは、1OCPU単体で調整可能な仮想マシンのスペックであり、CPUの数、メモリの量、ネットワークの帯域幅などは割り当てるOCPU数に比例して増えます。
なお、上記の3種類のフレキシブルシェイプはそれぞれ異なるプロセッサーを搭載しています。
各フレキシブルシェイプの詳細については、下記のリンクから確認できます。
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/dbcs/doc/virtual-machine-db-systems.html#DBSCB-GUID-3452CF5F-0245-4F5C-8C96-378F2A41D5A1
今回はVM.Standard3.FlexとVM.Standard.E4.Flexの性能差について負荷ツールを用いて検証してみました。
テストコンディション
試験を実施した構成は次の通りです。
Shape:VM.Standard3.Flex (Intel)、VM.Standard.E4.Flex (AMD)
DBバージョン:19.20
DBエディション:Enterprise Edition High Performance
ストレージ管理ソフトウェアの選択:GI
ストレージ・パフォーマンスの構成:より高いパフォーマンス
負荷ツールの実行元:DBと同じPrivate-Subnet上にあるCompute
負荷ツール:Swingbench
Swingbenchの実行パラメーターは、下記のサイトにある内容と同様です
https://oracle-japan.github.io/ocitutorials/adb/adb205-swingbench/
試験結果
今回の検証では、VM.Standard3.Flexがより高いパフォーマンスを発揮しました。
現時点でのOCPUあたりのコストは、VM.Standard3.FlexとVM.Standard.E4.Flexとで同一です。
参考:https://www.oracle.com/jp/database/base-database-service/pricing/
まとめ
今回はVM.Standard3.FlexとVM.Standard.E4.Flexの性能差を確認することができました。しかしVM.Standard3.FlexはOCPUを32までしか割り当てることができないため、その点には注意が必要です。
一部のリージョンでは、第4世代のAMD EPYCプロセッサを搭載したVM.Standard.E5.Flexの利用も可能となっています。東京リージョンでも最近利用可能になりました。
したがって、AMD製のCPUを搭載したShapeについては、今後の発展に期待が持てます。
ただし、現時点ではBase Database Serviceでの利用はまだできないようです。
※本記事の情報は2023年11月22日時点のものです。