初めに
みなさん、こんにちは!
インフラ技術部のYです。
先日のブログ「Nutanix AHVの機能について」に引き続き、今回はNutanix AHVの機能(ストレージ関連)について紹介したいと思います。
Nutanix AHVのストレージサービス
Nutanix AHVには、以下の3つのストレージサービスがあります。
これにより、別途ストレージ製品を購入する必要がありません。
- Nutanix Volumes Storage
ストレージサービス:ブロックストレージサービス(iSCSI)
概要:ストレージコンテナ上へボリュームグループを作成しiSCSIストレージとして公開(Nutanix以外のシステムからもアクセス可能) - Nutanix Files Storage
ストレージサービス:ファイルサービス(SMB/NFS)
概要:FSVMという仮想アプライアンスを展開し、共有フォルダをクライアントへ公開(Nutanix以外のシステムからもアクセス可能) - Nutanix Objects Storage
ストレージサービス:オブジェクトストレージサービス(S3互換)
概要:オブジェクトストアを作成(Kubernetes)し、バケットとユーザを設定しS3互換ストレージとして公開
Nutanix AHVのデータ可用性について
Nutanix AHVでは、レプリケーションファクター(RF)と呼ばれるデータの冗長化を行ってます。
デフォルトはRF2(2重化)となります。
データは常に2ノード以上で保持します。これにより、ノード障害が発生した場合でも、データをロストせずに別ノードで再起動して使用することができます。
冗長係数 | 冗長度 | 耐障害性 | 最小ノード数 |
RF2 | 2重コピー | 1ノード障害に耐える | 最小3ノード |
RF3 | 3重コピー | 2ノード障害に耐える | 最小5ノード |
Nutanix AHVのデータローカリティについて
Nutanix AHVでは、UserVMのRead/WriteのI/Oは、ローカルノードのCVMが処理し、常にローカルディスクへ読み書きを実施します。
その後、データの複製を行うため、CVM間でリモートノードへ書き込みを行います。
これにより、UserVMからのノード間通信が発生しないため、ネットワーク経由のデータ転送を大幅に低減します。
HAやマイグレーションなどVMがノード間で移動した場合、新規書き込みデータは移動先のローカルディスクに書き込まれます。
移動先に読み込みたいデータがない場合は、読み込み頻度が高いデータからCVM経由で転送し、データのローカリティを徐々に回復します。
Nutanix AHVのスナップショットについて
ここでは、vSphereとの違いについて比較します。
- vSphereにおけるスナップショット
vmdk、vmdk01、vmdk02というようにチェーン構造になったvmdkを順番にアクセスするため、スナップショットを取得するほどIO速度が遅延したり、途中のVMDKが壊れると最新データへのアクセスが不能になる。 - Nutanix AHVにおけるスナップショット
スナップショットを取得すると元の部分をRead onlyにします。
新規のデータは、差分として新ブロックへ書き込みます。
新しいスナップショットからは同じポインタを参照するため、パフォーマンスに影響なく取得できます。
Nutanix AHVのバックアップとDRについて
Nutanix AHVスナップショットを利用したネイティブのバックアップやDR機能(AsyncDR)があります。
- バックアップ
スナップショットにより、対象保護の仮想マシンやボリュームグループをProtection Domainというグループにまとめて、ローカルやリモートへバックアップを取得します。 - DR
スナップショットを用いたリモートクラスターへのレプリケーションが可能。
※Async DR(RPOが60分以上)やNearSync DR(RPOが1-15分)の非同期とMetroAvailabilityでの
同期(RTTが5ms以下必須)のレプリケーションに対応。
クラウド上のNutanixクラスター間でも可能。
バックアップ先として1ノードのみでの利用も可能。
サードパーティのバックアップについて
柔軟性を求める場合は、サードパーティ製のバックアップソフトを活用することも可能です。
執筆時点でAHV対応認定を取得しているのは、Veeam・HYCU・Veritas・Arcserve・Commvault・Rublik・Zertoとなります。
主な製品は、以下となります。
- Veeam Backup for Nutanix AHV
- Veritas NetBackup with Nutanix AHV
- Arcserve Unified Data Protection Nutanix AHV with AOS 6.5
最後に
今回は、ストレージ関連の機能について紹介させていただきました。
個人的には、スナップショットの際に、データをReadonlyにして、差分を別ブロックへ書き込むことにより、余計なデータ容量を消費することがなくかつ、パフォーマンスにも影響がないように設計されている点が非常に優れているかと思います。
次回は、Nutanix AHVへの移行について紹介していければと思います。
Nutanixについてご質問等ありましたら、是非お問い合わせください!