●はじめに
今回はサイトサーベイ時に出てくる用語についてご説明いたします。
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●外来波
これは外からくる電波のことを指します。
2.4GHzと5GHzとで、外来波の種類が異なります。
この外来波による影響のために、無線電波が干渉し、品質が悪くなるないしは通信ができなくなってしまうことがあります。
サイトサーベイ時には、こうした外来波がどれだけ来ているのかを確認します。
以下代表的な外来波となるものの一覧です。
2.4GHz
-電子レンジ
-Bluetooth
-他アクセスポイント
5GHz
-気象レーダ
-航空レーダ
-他アクセスポイント
こうした外来波を観測した場合、2.4GHzにおいては、干渉元となる機器から遠い位置にアクセスポイントを設置したり、チャネル設計を見直す必要があります。
また2.4GHzを使用しない、ということも考える必要があります。
5GHzの場合、干渉元から避けることはとても難しいです。
そのため気象レーダや航空レーダで使用されているW53,W56と呼ばれるチャネルの使用を控えることを検討する必要があります。
アクセスポイントがW53,W56の電波を外部から受信すると、DFSと呼ばれる機能で自動的にチャネルを変更してしまいます。
DFSが働くと、使用できるチャネルのスキャンを実施するため、少なくとも1分は止まります。
そのため、初めからW53,W56を使用しない設計にするのも一つの手です。
●RSSI(Received Signal Strength Indicator)
これは受信側で感知可能な範囲、すなわち信号強度を指します。単位はdBmを使用します。
dBmの数値が大きければ大きいだけ、安定した品質のいい電波ということになります。
音声アプリケーションの用途がある場合、-67dBm以上が推奨とされます。
データ系の用途しかない場合でも、-70dBmは確保しておきたいところです。
●SNR(Signal-to-Noise Ratio)
これは受信信号の品質を表すものになります。単位はdBmを使用します。
こちらもRSSI同様にdBmの数値が大きければ大きいだけ品質がいいということになります。
SNRの推奨値としては以下の通りです。
-データ通信 20dBm以上
-音声通信 25dBm以上
このSNR値ですが、RSSI値からノイズ比を引くことで求めることができます。
例えばRSSI値が-60dBmでノイズが-95dBmだった場合、以下の通りになります。
RSSI値 ノイズ SNR値
-60dBm - -95dBm = 35dBm
電波の強さだけ目を向けがちですが、実際の品質を測るSNR値が実際は大事になってきますので、覚えておいてください。
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●さいごに
こちらに記載されている知識を活用する機会はあまりないかと思いますが、本記事がいつか訪れた際の一助となれれば幸いです。