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CDMP Data Management Fundamentals Examについて

はじめに

本記事は、CDMPのデータマネジメント基礎試験(Data Management Fundamentals Exam)を受験するまで、試験中、試験後にCDMP Associateの認定を受けるまでの手続きをメインで解説いたします。
私自身が受験するうえで、試験の概要や出題傾向について解説した記事は見かけたのですが、英語オンリーの試験ということもあり、申し込みや試験の対応等で少し躓きました。 また試験の前日に想定外の事態が発覚したので、今後受験を考えている方向けに共有します。
少しネタバレになりますが、 FAQの記載とは異なり、私が確認できた限りでは日本語に翻訳して受験する術はなさそうです。
※あくまで2024年4月時点での情報という点にご留意いただき、必ず公式の情報をご確認ください。

目次

CDMPとは

CDMP(Certified Data Management Professional)はデータマネジメントの専門性を証明する国際的な認証資格で、データマネジメント協会(DAMA International)によって提供されています。
入門レベルのCDMPアソシエイトから、CDMPプラクティショナー、CDMPマスター、最上位のCDMPフェローまで4つの資格があります。
資格取得のために必要な試験の種類は大きく分けて2種類あり、データマネジメント基礎とデータマネジメント専門領域です。CDMPアソシエイト認定のためにはデータマネジメント基礎試験で60点以上を取る必要があり、上位のCDMPプラクティショナー認定にはデータマネジメント基礎試験で70点以上プラス2つの専門領域試験で70点以上を取る必要があります。
https://cdmp.info/

ここでは入門的な位置づけであるCDMPアソシエイト認定に必要な、データマネジメント基礎の受験について解説します。

私の経歴

私のこれまでの経歴を簡単にご紹介します。
私はRe:Qに入社後、DBエンジニア6年/クラウドエンジニア2年/データエンジニア2年ほどの経歴があり、最近ではユーザ企業様のデータマネジメント計画立案や開発の支援も担当させていただいております。
DMBOKの内容を網羅的に把握しておきたいのと、資格保有を対外的にアピールしたいので受験を決めました。(あとはRe:Qでは特定の資格を取得するとインセンティブが支払われる制度があり、CDMPアソシエイトもその対象なので、それ目当てというのもあります笑)

準備

申し込み

まず以下から試験の申し込みをします。
https://cdmp.info/exams/
アソシエイト認定のために必要な試験を受験する方は「Data Management Fundamentals Exam」からチケットを購入します。この際に母国語が英語以外の言語の受験者を対象とした「ESL VERSION」を選択するのを忘れないでください。(試験時間が20分延長されます)

カートに入れたらチェックアウトに進みます。クレジットカード情報などを入力して決済を完了させます。費用は手数料込みで$311と結構高額です。
決済完了後に試験ページのURLがメールで案内されるので、メールアドレスやパスワードを設定してアカウント作成を行い、ログインします。試験はD2Lというプラットフォームを利用して、任意のタイミングで受験できます。

事前に以下からFAQを確認しておくことをお勧めします。
https://cdmp.info/faqs/
また、アカウント作成後に確認できる試験ページにもFAQがあるので、それも目を通しておくことを強くお勧めします。
(よく読んでおかなかったせいで試験の前日に重大な事実が判明しました。)

学習方法

試験に向けた学習方法は、DMBOKを読み込むのとudemyで英語の問題集を購入して何回か解きました。
udemyの問題集の内容は公式の模擬試験とほぼ同じでしたが、なぜか模擬試験はChromeでGoogle翻訳できなかったので(この時点で気づけば良かった。。)翻訳が機能するudemyメインで進めました。模擬試験は受験チケットを購入するとおまけで付いてきて、無料で何回も受けられます。
参考になるかわかりませんが、私の学習方法は「なぜその回答が正答なのか」だけでなく「なぜ他の選択肢は誤答なのか」を考えながら問題集を解いてます。
集中して試験向けの学習をしたのはトータルで10~15時間ぐらいだったと思います。

ブラウザの設定

Honorlockという遠隔監視システムを利用する必要があり、ブラウザの拡張機能を有効化します。たぶんChromeしか対応してないので、以下から有効化しました。
https://chromewebstore.google.com/detail/honorlock/hnbmpkmhjackfpkpcbapafmpepgmmddc?pli=1

またFAQの「Access and take an exam」より、以下のような記載があったため、これを鵜吞みにしてChromeの拡張機能を設定しました。

Q:英語が母国語ではないので、試験中にブラウザの翻訳機能を使ってもいいですか?
A:はい、使用できますが、ページ全体の翻訳を使用してください。
ChromeのGoogle翻訳の拡張機能をインストールしてください。

その他

デスク回りや室内に不審なものが無いよう、部屋ごと整理しました。参考になるかわかりませんが、私が受験した際のデスク回りです。
image_50390017 (2).jpg

PCと本人確認用のパスポート、DMBOK、鏡(Honorlockの参考動画より、PCの後ろを撮影するために用意しました)のみで、外部モニターも使用不可です。とりあえず怪しまれそうなものは全て部屋から排除しました。

また事前にHonorlockの監視が機能するかを実際の試験と同じ流れで確認する必要があり、私の場合は本番の試験を受ける段階になって気づいたので、顔写真やパスポート、部屋の撮影を立て続けに2回する羽目になりました。どのボタンを押すと試験が開始されるのかわかりづらかった印象ですが、予めHonorlockのチェックはしておいた方がスムーズかと思います。

Google翻訳について

だいたい準備もできたし、問題集の内容も理解できるようになったので受験日を設定しました。(前述のとおり試験は任意のタイミングで開始できるので、あくまで自分の中での決め事です)
受験前日にもう1度試験ページを確認したところ、以下のような文言を発見。

Google翻訳(webベースの翻訳アプリ)は機能しないよ!
試験は英語しか用意してないしコピペで翻訳もNGだからね!

びっくりして2度見してしまいました。というか試験ページの「お知らせ」欄にピン留めされていたので、なぜもっと早く気づけなかったのか。。
私の理解だと以下です。(公式のアナウンスを必ず確認してください。)

  • 試験中は右クリック禁止
  • ブラウザの別ウィンドウ、別タブを開くの禁止
  • インターネットに接続した状態の電子機器の持ち込み禁止
  • ブラウザ翻訳機能は使ってもよいが機能しない

そういえば公式の模擬試験はChromeでGoogle翻訳できなかったことを思い出しました。念のためDeepLも試してみましたが模擬試験は翻訳できず。他のブラウザはそもそもHonorlockが対応していません。これはもう英語で解くしかなさそうです。
腹を括って予定通り翌日に受験することにして、その晩はひたすら模擬試験中のわからない単語を暗記しました。

冒頭にも記しましたが、私が知る限り、2024年4月現在で日本語翻訳を使用して受験する手段はありません。
FAQにはブラウザ翻訳を使用可能と記載がありますが、支払い完了後の試験ページにはGoogle翻訳が機能しない旨の記載があり、おそらく他のブラウザ翻訳ツールでも同様です。
受験費用が高額なこともあり、英語での受験に不安を抱えている方は試験自体が日本語対応されるのを待つか、支払い前に問い合わせをしてみた方がよいかもしれません。

受験

受験用ページの「Data Management Fundamentals ESL」から試験を開始します。
試験を開始するとまず顔写真と証明書(私の場合はパスポート)の撮影です。PCのカメラが勝手に起動するので、ガイドに沿って撮影します。
次に、受験する部屋の360°の撮影をします。Honorlockの動画を参考に、鏡を使ってPCの裏側を撮影したり、カメラに見えるようにスマホの電源を切ったりしました。

その後、110分の試験が開始されます。一応ChromeのGoogle翻訳は有効にしていましたが、やはり機能しませんでした。
DMBOKの記載箇所に心当たりがあるものはDMBOKを確認しながら、まずは一通り回答しました。不慣れな英語での受験ということもあって時間的な余裕がなく、見直しは1割ぐらいしかできませんでした。

点数は試験終了後、すぐに表示されました。一夜漬けの英語学習の成果もあり、75%の正答率でした。

試験の感想ですが、やはり初見の学術用語、法律用語らしき英単語がいくつかあり、捨てた問題が何問かありました。
また全般的に1つの知識領域だけでなく複数の知識領域にまたがる問いが多く、総合的な知見が問われる印象で、何について問われているかを文脈から正確に読み取る必要があると感じました。
逆に技術的な設問はエンジニアとしての経験から難なく回答することができ、ここで点数を稼げたかなと思います。

受験後

試験完了後、試験の結果ページには正答率75%と表示されていましたが、数日間は検証中のステータスのままでした。
ある日突然試験ページが確認できなくなったので、問い合わせをしようと思ったところ、資格証明に関する問い合わせは試験から10日経過しないとできないとのことでした。
もう少し待ってみたところ、試験からちょうど10日後に資格証明書が発行され、翌日にバッヂが発行されました。

さいごに

トラブルもありましたが、なんとか合格できて良かったです。
せっかく上位の資格であるプラクティショナーの認定条件の70点以上もクリアしたので、専門知識(と英語力)を蓄えて全世界で数百人しかいないプラクティショナーも狙ってみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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